ミステリー小説の醍醐味といえば、やはり予想を裏切るどんでん返し。相沢沙呼さんの『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は、その期待を裏切らない一冊です。霊媒師と推理作家という異色のコンビが織りなす物語は、読者を最後まで引き込んで離しません。
物語の舞台は現代の日本。霊媒師の城塚翡翠と推理作家の香月史郎が協力して難事件を解決していく中で、次々と明らかになる真実。そして、最後に待ち受ける衝撃の結末。この記事では、そんな『medium 霊媒探偵城塚翡翠』の魅力を紹介します。
作品概要
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は、相沢沙呼さんによるミステリー小説で、2019年に刊行されました。霊媒師の城塚翡翠と推理作家の香月史郎が協力して難事件を解決していく物語です。
この作品は第20回本格ミステリ大賞を受賞し、2022年にはテレビドラマ化もされました。
作品のあらすじ
霊媒師の城塚翡翠は、霊と交信する能力を持ち、その力を使って未解決の事件を解決しようとします。推理作家の香月史郎は翡翠の能力に興味を持ち、彼女と協力して事件の真相を探ることになります。
二人は次々と難解な事件に挑み、翡翠の霊能力と香月の推理力を駆使して真実に迫っていきます。
しかし、事件の背後にはさらに大きな謎が隠されており、二人はその謎に立ち向かうことになります。
主要登場人物
- 城塚翡翠(じょうづか ひすい): 20歳くらいの容姿端麗な女性で、黒髪と翠色の瞳を持っています。霊と交信する能力を持ち、自らを「霊媒」と名乗っています。都心のタワーマンションに住み、無償で死者に関する相談に乗っています。翡翠は自分が普通の死を迎えることができないと予感しており、その運命に立ち向かう姿が描かれています。
- 香月史郎(こうづき しろう): 大学時代は写真サークルに所属していました。過去に自身の小説が現実の事件で模倣され、その経験から警察に非公式で捜査協力を求められるようになりました。論理的な思考と推理力を持ち、翡翠の霊能力を補完する形で事件を解決していきます。
翡翠ちゃんのホンワカした雰囲気は小説の文章だけでも
十分に伝わってくるのが不思議で仕方ありません(笑)
登場人物の関係性
翡翠と香月は、互いに補完し合う関係です。翡翠の霊能力と香月の推理力が組み合わさることで、
複雑な事件の真相に迫ることができます。
二人の間には信頼関係が築かれており、事件解決に向けて協力し合う姿が描かれています。
作品の特徴
この作品の特徴は、ミステリーと超自然的な要素が巧みに組み合わさっている点です。
霊媒師という設定が新鮮であり、読者を引き込む展開が魅力です。
また、登場人物の内面描写や関係性が丁寧に描かれており、物語に深みを与えています。
霊能力で事件の大枠が把握出来ていることに対して、
論理を組み立てて証明を行うことが斬新な設定に感じます。
オススメポイント
- 独自の設定: 霊媒師と推理作家のコンビが新鮮で、他のミステリー作品とは違った切り口が楽しめます。
- キャラクターの魅力: 主人公たちの個性や関係性が魅力的で、感情移入しやすいです。特に香月先生が必死に霊的要素を論理的に証明する際の翡翠さんとのやりとりは、自分がその場にいるような感じで感情移入が出来ました。
- 衝撃的などんでん返し: 物語の最後には、読者を驚かせる大きなどんでん返しが待っています。この結末はとても予想出来ません。この小説の売り文句である「すべてが伏線」を意識しても想像出来ない、どんでん返しの快感が襲ってくることを保証します。
まとめ
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は、ミステリー好きにはたまらない一冊です。
霊媒師という独自の設定と緊張感のある展開、魅力的なキャラクターたちが織りなす物語は、一度読み始めたら止まらなくなること間違いなしです。
文章構成もわかりやすく書かれており、普段、本を読まない人でも気軽に読めると思います。
特に、最後のどんでん返しは衝撃的で、読後の余韻が長く残ります。ぜひ手に取ってみてください!
「すべてが伏線」に嘘偽りありません!!
潔く騙されてください(笑)